歯周基本治療のなかで、歯科衛生士は肉眼で見えているものばかりではなく直接見えない歯周ポケットの中や骨の状態も把握しなくては治療結果を予測したり、患者に現在の病態を説明したりすることは難しいと思います。
今回は直接見えない部分の状態を正しい知識として習得するとともに、臨床でどのように活かしていくべきかを下野先生・鷹岡先生にみなさんからの質問も含めお話していただきたと思います。
下野 正基先生
東京歯科大学
名誉教授
歯周治療後歯根面に形成される長い付着上皮(接合上皮)は接着性タンパク(ラミニン、インテグリン)によってセメント質と接着しているので、臨床的には安定した治癒形態といえます。
時間の経過に伴って上皮性付着は結合組織性付着に置き換わるので、歯周基本治療が非常に重要となります。4-METAレジン(スーパーボンド)は再生歯肉上皮との間に接着性タンパクを発現するので、歯肉パックやGTR法など歯周外科に極めて有用です。
そのほか、鷹岡先生から提示される臨床の疑問に基礎の立場から回答したいと思います。
鷹岡 竜一先生
東京都開業
患者さんが来院すると、私たちはX線写真に代表される臨床記録を収集します。その目的は歯や歯周組織を診断するためで患者さんの過去・現 在・未来を把握し治療方針を立案したいと考えています。
しかし歯科疾患は慢性疾患で、原因が多岐にわたり未来は容易に掴めません。
だとすれば侵襲を控えめてにして 時間経過の中で生体の反応を観察することが大切で精度の高い臨床記録そのものが歯科疾患への対応基盤になります。
本講演ではX線写真から読み取れる未来への手がかりを探ってみたいと考えています。
2016年3月27日(日)
10:00〜17:00
太陽歯科衛生士専門学校
※学校内は飲食禁止、昼食は各自近隣のお店をご利用ください。
荒川区西日暮里2-22-1-6F 【地図】
無料