演者:宮本泰和 (歯科医師/関西支部・元JACP理事長)
歯科疾患実態調査(平成28年)によれば、成人の約7割に歯肉に歯周病の所見が見られると報告されています。さらに、4mm以上の歯周ポケットを有する患者数は、若年層でも30〜40%で、中・高年層にかけてその数値は徐々に高くなり、約50〜60%に至っています。
また、若年層における抜歯原因は「う蝕」が第1位であり、歯周病は比較的少ないのですが、35〜39歳の段階では約12%となり、それ以降、徐々にその割合が増加して高齢層では約50%が歯周病で抜歯に至るというのが現状です。ゆえに、若年層においては如何に徹底した予防を行うか、そして進行した歯に対しては如何に適切な治療を行うかが、将来の歯の喪失に歯止めをかけることに繋がると考えられます。
若年層の歯周治療に関しては歯周基本治療を行うことは必須ですが、進行した骨吸収を伴う患者に対しては、歯周再生療法が第一選択と考えています。その理由として、若年者の組織再生能力は、中高年者に比べて旺盛であり、良好な結果が得られることが多いと考えています。若年層の段階で骨吸収の進行を阻止できれば、その後の歯列の崩壊を阻止できるので、歯周補綴などの大掛かりな治療を避けることも可能になると思われます。さらに、個人的な印象ですが、歯周再生療法を行い、良好な結果が出ている患者はリコール率が高くなっているように思われます。定期検診の継続は、若年者の将来の歯列崩壊を防ぐためにも効果的であることが想像できます。
今回の講演では、関東支部の掲げた「ライフステージを考慮した歯周治療」というメインテーマの中で、若年者に対して歯周再生療法を行なった症例を中心に提示させて頂き、その治療法の有効性や意義について考察を加えてみたい。
2023年04月23日(日)
浅草橋ヒューリックホール&カンファレンス
〒111-0053 東京都台東区浅草橋1-22-16ヒューリック浅草橋ビル 2階 HULIC HALL
https://hulic-hall.com/
事前申し込み期限:2023年4月20日(木)まで
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